朝の瞑想マラソン

超解説 マインドフルネスとは

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マインドフルネスとは

マインドフルネスとは、今この瞬間、皮膚の内側と外側で起きていることを、ありのまま感じることです。

試しに1分間、軽く目を閉じて「呼吸と共に動くお腹の感覚」にだけ意識を向けてみてください。
すぐにお腹から未来や過去に意識が反れ、そこから派生する思考や感情に心を持っていかれてしまいますよね。

このように、普段の私たちの心も、目の前のことに集中しているようでも、実は無意識で漠然と心の奥で様々なことを気にしながら過ごしていて、これがストレスや集中力低下の大きな原因となっています。

マサチューセッツ大学医学大学院教授のジョン・カバット・ジン博士は、こういったストレスフルな状態を軽減するために、自らが実践していたヨガ、禅、仏教の考え方や技法を体系化し、「今この瞬間」に意識を引き戻し、意識したものを判断することなく受け止める訓練法「マインドフルネス瞑想」を体系化しました。

宗教色が排除され、医学的/科学的な効果が検証されたこの瞑想メソッドは世界中に広まり、Google、アップル、NIKEなど、世界をリードする多くの企業が導入するに至ります。


眠り




マインドフルネスの効果

マインドフルネスの効果は、世界各国で研究/検証が行われていて、その効果を大きく分けると次の3つに分類されます。

▼心を整える効果
マインドフルネスの「心を今この瞬間に引き戻す訓練」によって、ストレス源への注意を断ち切る力が向上し、また自分と相手の気持ちを感じ取る力が向上したりすることで、以下の効果が出ることが確認されています。

不安や怒り、落ち込みを緩和する
気持ちや情緒を安定させる
自己肯定力や自己受容力を高める
うつや無気力を和らげる
思いやりや共感力、EQを高める
幸福感を向上させる

▼身体を整える効果
ストレスが緩和してメンタル状態が改善すると、自律神経のバランスが調整されてきます。また、身体の疲れや痛みなどを客観的かつ大らかにとらえることが上手になり、様々な身体状態が改善すると報告されています。

血圧が調整される
睡眠障害が改善する
痛みが緩和する
内臓不調が改善する
炎症が抑えられる

▼能力を向上させる効果
心を今この瞬間に引き戻し、ストレス源から注意を引き離す訓練によって、仕事の遂行を妨げる様々なマイナス要素が軽減され、コミュニケーション力の向上なども相まって、様々な能力が向上することが確認されています。

集中力や記憶力が向上する
仕事の処理スピードがアップする
変化への対応力が増す
論理的な思考力が向上する
相手の話や気持ちを理解する力が増す
チームへの貢献意欲がアップする


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マインドフルネス実践の基本

放っておくとすぐに未来や過去、考えや感情に心が持っていかれ、簡単にストレスフルになってしまう私たちの心ですが、どのような訓練をすれば「今この瞬間」に意識を引き戻し、そんな心のクセから抜け出すことができるのでしょうか。

ここでは、マインドフルネスの技法を代表する4つの実践テクニック/マインドフルネスのやり方について、音声動画を交えて解説します。


マインドフルネスの基本呼吸

数あるマインドフルネスのテクニックの中でも、最も重要だと考えられているのが、禅と同様「ありのままの呼吸を感じる」手法で、中でもお腹の動きに意識を向けるテクニックが最重要となります。

マインドフルネスでは、「今この瞬間」に意識を引き戻し、未来や過去に向かってしまうのを防ぐ最大のカギが「呼吸」にあると考えています。特に「呼吸に伴って動くお腹の感覚」は、意識を「今この瞬間」に保つ以外にも、心を落ち着かせる作用もあるため、マインドフルネスのコアとなる要素となっています。

ただ、 ヨガの呼吸法などのように呼吸をコントロールすることはなく、浅くても短くてもいいので、今実際に繰り返されている「ありのままの呼吸」をただ感じることを大切にします。

典型的なマインドフルネス呼吸の音声をご紹介しますので、ぜひ一度チャレンジしてみてください。


▼5分間マインドフルネス呼吸のやり方音声



身体感覚を感じるボディスキャン

マインドフルネスで最も大切なのは、呼吸を感じることによって「今この瞬間」に意識をつなぎ留めることですが、初心者の方にとってこれはなかなかハードルが高いものです。

そこで多くの場合、まず「ボディスキャン」と呼ばれる「身体感覚を意識する訓練」からスタートすることになります。
身体のどこか一部を意識して、そのあたりにある感覚をただ感じる練習です。

とはいえ、何も刺激がない状態でボディスキャンを行うことは、呼吸を感じるマインドフルネス以上に難しく感じる方も少なくないため、左右の指先を合わせたり、合掌したり、ヨガのポーズを行ったりする中で身体に刺激を作り、自然とそこに意識が引き寄せられる状態を作り、その部分を感じるという練習からスタートすることがお勧めです。

ここでは、敢えて「動きを伴わないボディスキャン」の音声をご紹介しますので、純粋なボディスキャンがどういったものか、ぜひ一度体験してみてください。


▼5分間ボディスキャンのやり方音声



五感を意識するマインドフルネス

マインドフルネスでは「今この瞬間」に意識を戻し、そこに留まることが大切なので、五感をフルに活用しながらその状態を導こうとします。

空を流れる雲を眺めたり(視覚)、今その場所で聴こえてくる音に耳を澄ましてみたり(聴覚)、緑が豊かな場所に行って木々の香りを感じてみたり(嗅覚)、時間をたっぷりかけてレーズンを味わってみたり(味覚)、ゆっくりと歩いて足裏の感覚を味わってみたり(触覚)。

何を感じていたとしても、今この瞬間の体験を大切にすること。
そして、もし意識がその感覚から反れたとしても、そのことに気づいた時に、気づけた自分を褒めてあげ、再び「今この瞬間」の経験にやさしく戻ることです。

下の音声は、五感をひとくくりにしているので、初心者の方には分かりづらいかも知れませんが、一度今すぐにできそうな感覚を見つけて、五感のマインドフルネスをチャレンジしてみてはいかがでしょうか。


▼五感を意識するマインドフルネスのやり方音声



気分と向き合うマインドフルネス

マインドフルネスの特徴の一つとして、自分の気分を意識の対象として捉えるという点にあります。

今の自分の気分、つまり、自分が置かれている状況や少し前に起きた出来事など、「そのことを自分がどう捉えているのか」に気づくことをとても大切にしています。

この気づきのことを心理学では「メタ認知」と呼び、自己理解や自己肯定を高める効果のほか、ストレスの大きな原因となっている「自動思考」を断ち切り、感情の波から抜け出してストレスを断ち切る効果があるとして、とても大切に考えています。

こういった心理療法的な効果のある「気分への気づき」訓練を行うことで、マインドフルネスでは心をより深く、穏やかに調整する作用があると考えられています。

下の音声は、綿本彰オリジナルの「マインドフルネス気分シート」を活用し、自己理解をより深めるためのものメソッドなので、ぜひ一度体験してみてください。


▼3分間 気分と向き合うのやり方音声



マインドフルネスを継続する

マインドフルネス解説の最後に、マインドフルネスにとって最も大切な要素をご紹介しておきたいと思います。

それはズバリ「マインドフルネスの継続」です。

会社で3日間のトレーニングを受けたり、一週間マインドフルネス瞑想を実践したりしたとしても、それだけではなかなかマインドフルネスをマスターしたり、ストレス軽減効果を引き出せたりすることはできません。

大切なのは、いかに日々の「マインドフルネス」トレーニングを継続させるかにありあす。

YOGA.jpでは、マインドフルネス 8週間プログラムの音声を無料公開したり、朝の瞑想マラソンを提唱して、互いに声掛けすることで継続を促したり、多くの皆さまにマインドフルネスの恩恵を享受していただきたいと考えています。

継続こそがマインドフルネスの要。
ぜひ共に、マインドフルネスの実践を積み重ね、快適な毎日を過ごしていきましょう。


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